【ごあいさつ】

 「同じ病気の人、会ったことある?」

 網膜芽細胞腫の患者は、ほとんどの患者が物心つく前、乳幼児期に治療を終えます。小児がんの中では生存率の高いがんですが、希少がんであるがゆえに、日常生活ではなかなか同じ疾患の患者に会うことはできません。

 大人になった当事者同士で、家族には言えなかった辛かったことを共有したい。経験談を聞きたい。遺伝や晩期合併症、二次がんへの備えなど、成人後にぶつかる問題について情報が欲しい。あるいは、今後の患児の生活で不安に思うご家族が、病気の経験者である患者本人たちに、気軽に相談できる場所を作りたい。

 当会はそのような方々のために設立いたしました。私達と共に、明るく前に進んでいきましょう。

2018年3月21日 RB患者ピアサポートの会 設立メンバー一同

【RBPSとは?】

●「RBピアサポートの会」について

 「RB(網膜芽細胞腫)ピアサポートの会」(RBPS)では、治療を終え、日常生活をすごすAYA世代(15歳から30歳前後の思春期・若年成人)や、さらに年齢を重ねた経験者を主な対象としています。

 取り扱うテーマは、

 ①進学、就職などの悩みや日常生活の情報交換

 ②遺伝性RBの遺伝子検査や親子間遺伝の問題

 ③晩期合併症や長期フォローアップの問題

などで、患者同士の情報交換やピアサポート、社会的な啓発活動を行っていく予定です。

 また、遺伝子検査や遺伝子治療など、医療技術が飛躍的に進んでいく中で、社会の中では、遺伝性疾患への理解はまだまだ進んでいないのが現状です。患者たちが辛い思いをすることなく、適切な処遇や治療などが受けられるよう、社会的啓発活動を行っていきます。

 その一環として、遺伝子変異により発症する他の疾患や難病患者らにより設立された、「ゲノム医療当事者団体連合会」へ2018年4月に加盟しています。疾患への理解促進や、ゲノム医療の将来に関しても、患者の生の声を伝えていければと思っています。

【網膜芽細胞腫とは?】

●網膜芽細胞腫(RB)って?

 網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ)は、乳幼児期に、目の網膜に腫瘍ができる小児がんの一種です。両眼にできる両眼性と片方だけにできる片眼性があります。人種、性別などを問わず約1万5000人に1人の確率で発症し、日本では年間80人ほどが発症しているとみられています。

 子どものがんなので進行が早い一方、腫瘍が眼球内にとどまっているうちに早期発見・治療ができれば、10年生存率は9割以上と、とても高いことでも知られています。
 最大の治療法は眼球摘出で、腫瘍が視神経などに浸潤する前に摘出すれば転移は防げますが、義眼になること、視力を失うことなどから、
最近は患者のQOL(生活の質)向上のため、抗がん剤や外科手術、放射線治療などを組み合わせ、視力・眼球を温存する方法も主流となっています。

 ⇒詳しくは国立がん研究センターがん情報サービス

 

●RBの原因と後遺症・晩期合併症

 RBは、患者の約3割が両側(両眼)性、約7割が片側(片眼)性です。DNAの13番染色体にある「RB1遺伝子」が欠損することで引き起こされることが分かっており、両眼性の患者の場合は子どもに約50%の確率で遺伝します(片眼性でも10~15%の確率で遺伝するケースがあります)。

 5歳を過ぎると眼球内の腫瘍の再発率は下がりますが、治療の結果によっては、視力障害や義眼での生活、抗がん剤や放射線照射による後遺症や二次がんのリスクなどの問題に直面する場合もあります。

 また、「RB1遺伝子」はがん細胞の増殖を抑制する働きがあることが知られており、その変異(欠損)は、RBだけでなく、将来、原発腫瘍や治療歴とは無関係の別のがん(二次がん)の発症率を高めるといわれています。

【入会案内】

RBピアサポートの会では皆様のご入会をお待ちしております

 

●患者本人・その家族の場合

  ●正会員;18歳以上の網膜芽細胞腫の患者本人

      ※18歳未満の方は、保護者の副会員への入会が必要になります。

  ●副会員:患者家族(親・配偶者など)

  ●会費等 :無料

   ※会場費等が必要な場合、費用を参加人数で割った額をいただきます。

       

●医療関係者・その他法人等の場合                      

                ●賛助会員本会の目的に賛同して支援いただける個人または法人

                ●会費等   : 賛助会員(個人)1口¥3,000/年

                       賛助会員(法人)1口¥50,000/年

           →賛助会員の方は入会フォームではなく、お問い合わせページよりご連絡ください。

           →年1回、年会費として上記を頂戴いたします。口座詳細はこちら

 

●活動内容

 ・お話会(不定期)、セミナー等の開催

 ・HP、SNSを通した患者同士の交流・情報交換

 ・他の患者会などと協力した社会への啓発活動など

 

 ●活動拠点

 ・国立がん研究センター中央病院1階 希少がんセンター(予定)

 

 

●だれが入会できるの?

 RBピアサポートの会は、患者本人たちが集まって活動することを前提としています。「正会員」は患者本人に限らせていただきます。自分の意思で入会を希望する18歳以上の方を対象としています。片眼性/両眼性、遺伝性/非遺伝性、義眼、全盲など、病状に規定はありません。

 ただ、乳幼児期に発症する疾患であることから、将来、患児が育つにあたり、学校生活や就職、結婚・出産、晩期合併症などについて、患者本人の話を聞いてみたい、という保護者の方も「副会員」として入会を受け付けています。18歳未満の患者本人が自分の意思で入会を希望する場合も、保護者がそれに同意し「副会員」として入会することが条件となります。

 患者同士で交流する場合には、「患者以外には話したくない」という話題が出ることも想定されます。そのため、お話会は「正会員のみの参加」、「全員参加OK」というように、場合によって参加条件を設ける場合があります。

 設立メンバーも手さぐりで会を立ち上げています。「こういうことはできないの?」「こんなことについては話せる?」という要望やご意見は、いつでもお待ちしています。

 

●入会するにはどうしたらいいの?

 

 (1)HPより申し込む

  下記入会専用フォームよりご連絡ください。入会には以下の内容のお知らせを条件としています。

  ※会員同士に安心して交流してもらうため、匿名での入会はご遠慮いただいています。

    ・名前

    ・住所

    ・電話番号

    ・メールアドレス

    ・生年月日

    ・治療歴 ※副会員の方は患者(子どもや配偶者)の情報をお書きください。

      ①副会員の方は患者の年齢(入会時)

      ②片眼性/両眼性

      ③眼球摘出の有無

      ➃分かる範囲での治療内容(抗がん剤、局所治療、放射線など)

      ➄発症時の治療した病院名(複数ある場合は全て)

      ⑥二次がんの有無

      ⑦現在の生活で支障があること(弱視、全盲などでお手伝いが必要な場合もご記入ください)

 

 (2)お話会などで、運営メンバーに会って直接入会を申し込む。 

 「いきなりメールで入会は少し不安」とお考えの方は、お話会開催日(当面は不定期)に、事前にお問い合わせフォームからご連絡の上、直接お 越しください。お話会前後に設立メンバーが面談し、その上で入会を判断頂いて結構です(当日のお話会への参加は入会してからとなります)。また、お話会以外の日程でも、東京/大阪にいる設立メンバーと面談が可能です。ご希望の場合はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

  当会は、治療を終えた患者本人が成長し、親の手を離れて自立、成人する頃にぶつかる問題を主に取り上げていきます。「義眼とみんなどうつきあっているの?」「進学して就職の時に病気が不利にならない?」「結婚・出産をする時、自分の病気をどう説明する?」「子どもに遺伝するの?」「遺伝子検査をするメリット/デメリットって?」「がんになりやすいっていうけど、何をしたらいいの?」などなど、他人には聞きにくいこと、家族にも話しにくいことも積極的に取り上げていく予定です。必要に応じて、専門医やカウンセラーへの助言も求めていきます。

 

●どんな人たちが始めたの?

 「RBピアサポートの会」は、30代女性で両眼性のRB患者2人で設立準備を行いました。2人とも、片眼が義眼ですが、日常生活に支障はなく、普通の生活を送っています。結婚、出産を経て、子どもに疾患が遺伝し、その治療の過程で初めて知り合いました。お互い同じ病気の患者にはほとんど会ったことがなく、これまでの生活や、結婚・出産の時に悩んだことを話し合う中で、「同じ事で悩んでいたんだね」「家族には心配をかけたくなくて、一人でたくさん調べたよね」という共通点がたくさん出てきました。

 網膜芽細胞腫は、幼少期に治療を終えてしまい、普通の人たちとともに日常生活を支障なくすごせる患者の数が多いからこそ、改めて病気について話したり、相談したりする機会が少ない病気です。しかし、遺伝性の疾患であること、発がんリスクが高いことなどから、年齢を重ねるにつれ、治療をしていた幼少期とは違った悩みが生じ、情報が必要になる疾患でもあると考えます。病気に負けず、全国で元気に暮らす同じ疾患の方の助けになればと思い、会設立を決めました。

【入会専用フォーム】

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